廃棄されていたいぶりがっこの漬け液を再利用 人気商品『燻りがっこドレッシング』開発の裏話(まこと農産・佐藤社長に聞く)

廃棄されていたいぶりがっこの漬け液を再利用 人気商品『燻りがっこドレッシング』開発の裏話(まこと農産・佐藤社長に聞く)

「いぶりがっこの漬け液って、ずっと捨てていました。」

そう語るのは、秋田県でいぶりがっこを製造するまこと農産の佐藤社長。
今でこそ人気商品の『燻りがっこドレッシング』ですが、その原点は長年“当たり前”として見過ごされてきた現場の副産物でした。

本記事では、廃棄されていた漬け液がどのようにして商品になり、
なぜ「ドレッシング」という形に辿り着いたのか。
開発の裏側と、当サイト『TERROIR TO TABLE』が大切にする価値観を紹介します。

「これ商品にならないかな?」何気ない一口から始まったひらめき

まこと農産では1つの樽に約750kgの大根を漬け込みます。
45日後に取り出される大根は約500kg。
そして約250kg分が廃液として残ります。

そこには、
・大根そのものの旨味
・塩や砂糖
・乳酸発酵によるコク
等々が溶け込んでいました。

商品化のきっかけは、佐藤社長と地元の商工会の方との何気ない雑談でした。
「何か新しい商品、作れないですかね」
そんな会話の流れで、冗談半分にいぶりがっこの漬け液を紙コップに取り、飲んでみたといいます。
「飲んだら、意外と甘くて美味しかったんですよ。『あれ、これ商品にならないかな?』って。」
確かに作り方でいえば醤油とほぼ同じ考え方かもしれない。このまま使えるのではないかと閃いた瞬間でした。

なぜ「ドレッシング」だったのか

捨てて当たり前。誰もなんとも思っていなかった「漬け液」でした。
商品化するにしてもどんな商品にするのか。

・万能調味料
・業務用の発酵エキス
・燻製調味料
以上のような使い方を佐藤社長はイメージしながら、UMAMYの商品開発担当に相談したところ、試飲したUMAMY担当は即決で
「これは、そのままの風味を活かしてドレッシングでいける。」
と提案し開発がスタート。

思ったよりクセがなく、思ったより旨みが強く、思ったよりそのままでも美味しい。
がっこメーカーや地元の人間ですら味や使い方のイメージがつかない素材だったので、
使い方が一目で伝わる、家庭で試しやすい、他のいぶりがっこ加工品と競合しにくい、
といった点を重視する判断でした。

捨てていたものが、価値になるということ

原料費、人件費、光熱費。
地方の食品メーカーを取り巻く環境は、年々厳しくなっています。

そんな中で、捨てていたものが収益になる。
お金を払ってまで廃棄していたような「廃液」に価値が付くことで、いぶりがっこ自体の原価アップも吸収できる。
このSDGsにも則ったアップサイクルは単なるヒット商品以上の意味を持ちます。

「美味しくて、ちゃんと売れている。それならこのストーリーは胸を張っていい。」
佐藤社長はそう語ります。

TERROIR TO TABLEが届けたいもの

燻りがっこドレッシングは、奇抜な発想から生まれた商品ではありません。
現場にありずっと見えていなかった価値に、改めて光を当てただけ。

土地で生まれたものを、土地の物語ごと、食卓へ。
『TERROIR TO TABLE』が大切にするのは、この“つなぎ直す”という姿勢です。

燻りがっこドレッシングは、その象徴のひとつとして、今日も多くの食卓に並んでいます。

●有限会社まこと農産 佐藤社長

1983年生まれ。父が法人化したまこと農産には2008年に入社し、2014年から社長に。
最初は「つまもの」や「ミニトマト」を中心に作っていたところ、市場の変化や度重なる水害の発生、また冬場の仕事も考えて2019年頃には「いぶりがっこ」がメインに。
大根の生産から商品の製造販売まで一貫して行っているのが特徴。
『麦酒漬け製法』のいぶりがっこは万人受けする食べやすさで、初めての方にもおすすめ!

その美味しさが全国に知られるようになり、いぶりがっこ市場は年々拡大しています。
比較的若いいぶりがっこメーカーであるまこと農産は、特に業務用市場や海外に向けての販売に力を入れています。
今ではアメリカやヨーロッパでもまこと農産のいぶりがっこが食べられています。
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